ジュネーブ天文台を
名に冠して登場。

遡ること1953年、当時OMEGA社が時計の精度を競う天文台コンクールの開催場所である”ジュネーブ天文台”から名付けられることとなった「Geneva（ジュネーブ）」ラインのご紹介です。オメガブランドの品格と機能美を確立したモデルとも言われるラインナップではありますが、所謂、「クォーツショック」と言われる機械式の時計から電池で動くものへと時代変化が起き、1979年には完全に生産終了したラインのひとつとなります。

センターセコンド（通称：センセコ）とバー針の組み合わせを持ち、バー針にかすかにトリチウム夜光塗料が塗装されています。60年代～70年代では、この夜光塗料にも技術を感じることができるポイントでもあると考えています。1930年～1965年代頃までは、ラジウム塗料という夜光塗料を使用していましたが、微量の放射線を発することから、時計を着用する人ではなく、時計を製造する職人に人体影響がでてしまったという歴史もあります。これらの放射線による人体影響があることから、1967年に国際原子力機関IAEAが時計への使用を規制したことにより、ラジウム塗料を使われることはなくなりました。その後、人体影響が考慮されたトリチウム夜光塗料が開発されたことで、再び、時計デザインに夜光塗料が使われることなりました。このようなセンシティブな出来事があったからこそ、この1960年代～70年代にはあまり夜光塗料が塗られることはなかったのです。1969年に製造されたこちらはある意味、先進的なデザインなのではと解釈しました。

※中央に秒針があるデザインをセンターセコンドと言います。現代では普通のデザインであるが故にご説明する必要性はないかと思いますが、40年代前後までは、秒針のみが独立したデザイン、スモールセコンドが主流であったため、あえてここでは記載しております。

ゴールドで統一されたケースとダイヤル。ドレッシーなバーインデックスの構成ではあるもののジュネーブのデザインとしては珍しい分刻みのインデックスと3針の組み合わせは、ドレスのイメージと機能として先進的なイメージを併せ持つ優秀な一本を感じさせるアイテムとなります。

仕様

※OH済み＜2024年＞
※日差し一日±180秒以内
※ケースに小キズあり
※ベルト本体は新品のものを取り付けております。